【読みもの】百色の青森 津軽びいどろを訪ねて

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青森をつくる いろ ひと こと

『津軽びいどろ』の生まれた青森県の多彩な「いろ」と「ひと」と「もの」、そして「こと」を訪ねて取材、土地の魅力を発信していくコンテンツです。今回も前回に引き続き、青森の方にも改めて訪れてほしい津軽の夏をテーマに、青森の文化や美しい景色をご紹介します。

夏の津軽色旅vol.1 「龍飛ブルー」と出会う

青森をつくるいろ

夏の津軽色旅vol.2夏の風物詩「ねぶた」を体感する 夏の津軽色旅vol.2夏の風物詩「ねぶた」を体感する

2日間の津軽旅、
立佞武多たちねぷた」と「地域ねぶた」を巡る2日目。

青森の夏といえば、やっぱりねぶた祭。全国的にも有名な青森ねぶた祭には、例年多くの観光客が訪れています。ねぶたの起源は諸説ありますが、七夕の灯籠流しや精霊送りがルーツだといわれ、その文化は青森県の各地に習俗として残っています。七夕の夜に穢れを流して無病息災を願う行事だったために、現在もねぶた祭は8月(青森では七夕が8月7日となっています)に行われているのだそうです。
今回の旅では、そんな青森三大ねぶた祭のひとつである「立佞武多」をいつでも体感できるスポットをメインに、青森の夏の魅力を巡っていきます。

いつでもねぶた祭の雰囲気を体感できる、
五所川原市「立佞武多の館」へ。

ねぶたは400年以上も津軽地方を中心に受け継がれてきた火祭りで、「ねぷた」「ねふた」とも呼ばれています。青森の3大ねぶたにはそれぞれ造形に個性があり、道幅の広さを生かして横に大きく躍動感のある「青森ねぶた」、扇形で城下町の雰囲気を引き立てる「弘前ねぷた」、そして、20m以上もの高さがある雄大な「五所川原 立佞武多」という違いをもっています。この3つは開催が少しずつズレているため、全て巡ってその違いを楽しむこともできます。 とはいえ、ねぶた祭の時期はホテルの予約もひと苦労…というくらい混雑する青森。もちろん、その賑わいも楽しみのひとつではありますが、混雑を避けるのであれば、祭の時期以外でもねぶたを体感できる場所があります。青森市から車で1時間程度のところにある五所川原市「立佞武多の館」もそのひとつで、館内には実際に運行する立佞武多が展示されています。旅の2日目はこの立佞武多の館を観光の主目的に、青森の夏の風物詩を巡る旅をおすすめしたいと思います。

どこから撮影する?高さ20m以上、
色彩豊かで壮大な、青森の夏姿。

立佞武多の館はねぷたを保管展示するたけではなく、祭のスタート地点でもあります。そのため、なんと館の壁は可動式で、壁一面が横に開閉できる、まるでロボットアニメの基地のような造りです。壁は普段閉ざされていますが、開閉のための跳ね橋がかかっている様子は展示室の内側からも見ることができるので、来館の際はぜひチェックしてみてください。
入り口を通ってすぐに3体のねぷたが“聳え立って”いる展示室は、まさに圧巻のひとこと。ねぷたをスマートフォンで撮影しようとすると、かなり屈んで見上げなければフレームに収まらないほどです。想像以上の大きさは、どうせ展示でしょう、という思惑を越えてインパクト大。木組と和紙でどうやって造られているのかと、不思議になるくらいです。そうして大きさを実感したあとは、ねぷたを中心に吹き抜けとなっているホールをエレベーターで上がります。最上階はちょうどねぷたの顔と同じ位置、下からとは異なる表情を確認できるところも魅力的です。

天の川を意味する漢字

立佞武多の台座に書かれた「漢雲」
右から読んで「うんかん」
天の川を意味するこの漢字は
ねぷたが七夕に由来する説に紐付いている

立佞武多の制作風景が垣間見える、
立佞武多の館もうひとつの見所。

立佞武多の館に展示されている2体は次年度も運行するもので、五所川原市では毎年ひとつ新しいねぷたを加え、合計3体のねぷたが立佞武多祭に出陣します。そのため館内では毎年、その年のねぷたが制作されています。また、青森ねぶたを制作するねぶた師と違って、立佞武多は、五所川原市の職員がねぶた師としてねぷたを作成しているのだとか。市が企画制作することから、話題性に富んだ自由なテーマや造形に挑戦できることが特徴となっています。
また、立佞武多の館には、ねぷた師の作業風景を公開しているスペースもあるので、ぜひ訪れてみてほしいと思います。春先には木材と針金でできた枠組みや和紙を貼る光景が、夏が近づくと色が重ねられていく様子が見学できます。女性の顔は針金を少なくして柔和に見せている、背の高い立佞武多はパーツ毎に分けて作業している、蝋で模様を描いている…など、各工程での職人技術が垣間見える場所は他にありません。

津軽鉄道に乗り、爽やかな緑に映える
フォトジェニックな「駅舎」へ。

立佞武多を堪能したあとは、すぐ近くの津軽五所川原駅から津軽鉄道に乗って、ノスタルジックな電車旅はいかがでしょうか。津軽鉄道はかつて青森の産業や生活を開拓したともいえる私鉄で、冬のストーブ列車は全国的にも有名です。夏には風鈴列車、秋には鈴虫列車が走り、のどかな津軽の風景が堪能できます。津軽五所川原の駅はレトロな風情で、手書きの時刻表や木造の駅舎はフォトジェニック。切符は厚みのある硬券で、駅員さんが改札口でパチンとハサミを入れてくれます。オリジナルクッキーなども売られているので、旅のお供にひとつふたつ買ってから乗り込みましょう。
行き先は、太宰治の生家がある金木駅もよいですが、今回は7駅先の芦野公園駅へ。この駅の隣には、赤い屋根の旧駅舎を活用した喫茶店「駅舎」があり、女子旅やデートに大人気。この旧駅舎は太宰治の小説『津軽』に登場する駅として知られていて、登録有形文化財にもなっている店内は、かなりレトロでキュート。切符売り場の壁も、そのまま残っています。メニューはカレー、ナポリタン、ケーキ、コーヒーなど、喫茶メニューが充実していて、ランチや休憩にぴったりです。

津軽鉄道で30分旅

レトロな駅で切符を買って
小さな本棚がついた電車に乗って
緑が広がる長閑な景色のなかを
ゆっくり各駅で進んでいく

日本一の木造三連太鼓橋。
美しい「鶴の舞橋」で出会う、感動の夕景。

芦野公園から津軽五所川原へ折り返したら、旅を締めくくるドライブに「鶴の舞橋」へ向かいます。鶴の舞橋は日本一長い木造の三連太鼓橋で、鶴が舞うようなやさしいアーチと、木組の美しさが印象的です。橋からは雄大な岩木山が望め、橋が架かる廻堰大溜池には岩木山の山影が美しく映り込むことから、別名を津軽富士見湖といいます。ここは岩木山を水源とする自然流水を溜める池で、水は透き通り、淡水魚や野鳥がたくさん生息しています。さらに、鶴の舞橋で出会える夕景はすばらしく、空も水面も夕陽の色に染まっていく時間は、絶好のフォトスポットに。雨の日でも、しっとりとした風情が幻想的です。
また、津軽富士見湖には龍にまつわる伝説が残っていて、鶴の舞橋のある鶴田町で8月に行われる「水と火の祭典つるたまつり」では、龍神を象ったねぶたが船で渡り、花火とともに水面を幻想的に照らし出します。つるたまつりでは地域ねぶたも運行しているので、時期があえば夏夜の鶴の舞橋にも訪れてみてほしいなと思います。

ギャラリー

今回のドライブルートは...

おすすめ情報

ほかの季節にも行きたい

「鶴の舞橋」四季とりどり

春には桜の名所となって、津軽富士見湖のまわりが薄紅色に。春霞の奥に岩木山が浮かぶのも幻想的。秋は紅葉が美しく、近くの道の駅つるた「鶴の里あるじゃ」では収穫された秋の味覚もたくさん並びます。冬は水面に氷が張り、降り積もった雪で一面の銀景色に。散策のあとは湖の畔にある源泉掛流しの温泉「つがる富士見荘」でリフレッシュも。

〒038-3542 青森県北津軽郡鶴田町大字廻堰大沢

100以上の色をもつ

「北洋硝子」の直営ショップへ

JR新青森駅から車で約7分、「津軽びいどろ」を生産している北洋硝子が。津軽びいどろ各商品や、青森限定のオリジナル商品も並ぶ直営店が併設されています。毎年7月には、掘り出しものが見つかるガラス市も開催。事前にご予約頂ければ工場の見学も可能です。職人たち巧みな技を間近で見ることができます。

〒038-0004 青森県青森市富田4-29-13
電話017-782-5183

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